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2005年6月17日 (金)

私のカスタ・ディーバⅣ

私のカスタ・ディーバ(その四)

世紀の公開レッスンは多くのドラマと貴重な音楽の知的財産を織り込みながら進んで行きました。

もはやレッスンの細かい内容や具体的なアドバイス等は、今となっては、ほとんど忘れてしまいましたが、当時はその一つ一つが珠玉のようなアドバイスであったことは間違いありません。

そんな中で今だに強い印象を受け、わりと鮮明に記憶にのこされているのが、「ベルカント」と言うことについてのアドバイスです。

たしかカラスが言っていたのは、「ベルカント」とは、決して発声のテクニックのことではなく、歌そのものが、声そのものが、その役柄そのままを現わすような発声、歌唱方を「ベルカント」と言い、歌そのものがまさにドラマでなければならない。と言うようなことを、言っていたと記憶しています。

いずれにしろ、このゼミナールコンサートは、日本の音楽史上にとっても、画期的な出来事であったと言うことは否定出来ない事実なのです。

このゼミナールコンサートは、翌年1974年10月に行なわれた、カラスの生涯最後のコンサートツアーとなった、ディ・ステファノとの日本特別公演へと繋がって行ったのです。
この公演の最後の公演、1974年11月11日の札幌公演が、カラス生涯最後のステージとなった訳です。

幸せなことに、その日本公演も、東京渋谷のNHKホールでの公演と、上野の東京文化会館での公演を聴くことが出来ました。
全盛期の頃とはまったく違い、だいぶ衰えたとはいえ「鯛は鯛」、カラスの芸術の一端に触れることが出来たと思っています。

不出生のプリマドンナ、マリア・カラス

その膨大な量の「世紀の歌姫」の記録がCDやDVD等に残されています。それは何時でも聴いたり見たりすることが出来ます。
しかし、もう生の声を聴くことは出来ません。

たまたま、ほんの少しの間でしたが、生きた時代が重なり、その芸術を直に享受出来たことは、本当に幸せなことだったと今つくづくと思っています。

私のカスタ・ディーバ
マリア・カラスよ永遠なれ!!

四回にわたりお付き合いいただきありがとうございました。

http://umezawa.air-nifty.com/umeyumeblog

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コメント

TBありがとうございました。
マリア・カラスの生の声を聴かれた素敵な体験談、楽しく読ませて頂きました。
その日は、私の生まれた日だったりします。
不思議な偶然に、足跡を残さずにはいられませんでした。

投稿: りら | 2005年6月17日 (金) 11時43分

「ベルカント」心に残りました。
マリアカラスの歌が心に響くのは、「ベルカント」であるからなのですね。ベッドサイドの音楽にマリアカラスは
Good choice ですね・・・・

投稿: Lin | 2005年6月17日 (金) 20時19分

こんにちは。

とても興味深く読ませていただきました。生のカラスの歌声を聴くという、貴重な体験、うらやましいです。

TBありがとうございました。

投稿: 雪の子キノコ | 2005年6月18日 (土) 22時55分

はじめまして・・
貴重な体験をなされ、当時の感激がひしと伝わってくるようでした。
「ベルカント」にたいするカラスの名言は、声楽家にとっては原点に帰る重みを感じます。
TBありがとうございました。

投稿: rosa | 2005年6月20日 (月) 08時43分

はじめまして。
須賀です。TBありがとうございました。

マリア・カラス。
あたしは歌うたいちゃうんすが、カラスの圧倒的な、なんつーんやろ、「オーラ」に惹かれたんかな。大好きですわ。

ありがとです。
ではまた/

投稿: 須賀 | 2005年6月26日 (日) 04時40分

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